前回は、若いころのギター仲間だった友人たちの中で、T君が家族といっしょに園芸店を経営して、

手広くやって悠々自適みたいに暮らしていることを書きました。


 訪ねて行ったとき、しばらく話して、近くのカフェでコーヒーを飲んだあとでT君が

「僕の山荘に行ってみないか?」

と誘ってくれたのです。


山荘1



 どうせ何もしてないのだから、「じゃあ行ってみよう!」

ということでクルマを走らせること15分。


着いたのはトップで紹介した山荘でした。

なんともでっかい山荘です。

もちろん、ゲートは自動式でリモコンで開くようになっています。

山荘前のスペースだけでクルマが50台くらい停めれます。



山荘2



 山荘は山の傾斜地にあり、眼下にはこのように美しい貯水池(飲料水用)があります!

 暑くなると、まるでビーチのように遊びに来る人たちで騒がしくなるそうです。

 もちろん、水浴びをしたり、泳いだりもするわけです。

 年末の休日ともなると、夜遅くまでお酒を飲んだりしてドンチャン騒ぎをするのだとか...


山荘3




山荘6





 園芸店をやっているだけあって、敷地内には各種の木やくだものの木も植えられていました。

山荘5






山荘4あ






 山荘の中もご覧の通り、立派な家具や電化製品が置かれています。

山荘7




 寝室も4つほどあって、床は高価な板張りでした。(写真は撮りませんでした)

山荘7あ



 しかし、残念なことに、数年前に泥棒が入って、いや、トラックで夜、乗りつけて、

 めぼしい高級家具や電化製品などをみんな盗んでいったそうです。

 T君はかなり落胆したそうです。
 
 (それ以来、工事はストップしているので、山荘はまだ完全に完成していません)


 まあ、それもそうですよね。

 この山荘、土地はそれほど大きくなく、せいぜい1万平方メートルくらいですけど

 (ブラジルでは、山荘でこの大きさは“小さい”のです)

 土地代だって安くはないし、山荘を建てるのだってかなりかかっていますからね。

 それに家具類はブラジルでも有名な南リオグランデ州のもので、合板とかMDFと

 呼ばれる中密度繊維板などではなく、木材そのものを切って削って作っている家具で、

 重いけど頑丈で、お値段も高いのです。

 それを盗まれ...



 窓やドアには鉄格子がはめられていますけど、泥棒は誰も住んでいないので、あらゆる方法を使って
 ドアをこじ開けます。


        写真は別荘の奥にあるパーティー会場の屋上から撮ったもの
山荘8あ





 このT君の別荘、おどろいたことに、二階にあがる階段がありません。

 なんと、エレベーターをつけるのだそうです。

 写真の黄色い点線のところに4人乗りのエレベーターを設置するようになっていますが...

山荘8


 残念ながら、泥棒はエレベーター用に買っておいてあったモーターまで盗んでいったそうです。


 防犯アラームなどを設置しておけば...

 と日本人なら誰でも思うでしょうけど、ここはブラジル。

 ヘタに飛んで行ったらピストル強盗だった、ということにもなりかねません。

 なんせ、銀行強盗はATMを爆薬で壊して現金を盗むのが手口の国。

 よく、銀行強盗団が駆けつけた警官と機関銃で撃ち合いをする国なのです。
 

 「じゃあ、泥棒がまた入る可能性があるね?」とLobyが言うと、

 「いや、その心配はもうないんだけど...」

 T君によれば、山荘に入った泥棒たちはそのあたりでは有名な凶悪なお尋ね者だったらしく

 去年あたりだか、警官に撃ち殺されたそうです Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

 まるで西部劇のようですけど、本当らしいです。


 写真には撮りませんでしたけど、山荘の裏に10メートル、長さ30メートルほどの大きなパーティー会場があります。

 年末になったら、家族、兄弟、親戚が集まってクリスマスを祝ったり、お正月を祝ったりするのだそうです。

 「Loby君も年を越しに来たらいいよ!」

 とT君は誘ってくれます。これで二回目の誘いなんですけどね。

 でも、T君は11人兄弟、奥さんは12人兄弟。

 どれだけ大勢の親戚が集まるか想像できますね?

 やはり、Lobyは家族とともに静かに家で年を越すことにします...